山下 達郎 5選

Jポップ
Jポップ

〈連想第15回〉

前回取り上げた「ズー」は、大ヒットしたチューチュートレインと同時期に山下達郎の「恋のブギウギトレイン」をカバーしました。

ズーやジャニーズなどのJPOPにおけるAORの系譜にあるサウンドの前身の1つとして、シティポップと呼ばれるジャンルがありますが、その代表格が山下達郎です。

シティポップは近年世界的にファンが急増し、再評価され注目されていますが、それはこれらの曲のクォリティがとても高く、そして音楽的に純粋に素晴らしいからでしょう。

山下達郎と言えば、自身のソロはもちろん、妻である竹内まりあ、シュガーベイブのメンバーだった大貫妙子などのプロデュースが有名ですが、ジャニーズなどへも多数楽曲を提供するなど、本当に多数のアーティストへ楽曲提供、プロデュースをしてきました。

JPOPの歴史における1つの流れを創った超重要なアーティストであることに異論はないと思います。

今回はそんな山下達郎自身がパフォーマンスした作品から5選します。

1 Circus Town(1976)

自身のソロデビューアルバム「サーカスタウン」からタイトル曲、シティポップの前身となるこの時期はフリーソウル感満点の素晴らしい曲。

すでに音楽業界では実力が認められており高名だった山下達郎の才能が遺憾なく発揮されています。

偉大な音楽家は既にデビュー時に自分のスタイルを確立していることが多いですが、この山下達郎もすでにこのデビュー時に自分のスタイルというものを完璧に確立しています。

2 翼に乗せて(1977)

セカンドアルバム「スペース」に収録されている曲。

山下達郎らしい爽やかな曲。

ドナルド・バードやロニー・リストン・スミスを思い起こさせるサウンドの中に、しっかりとJPOPのメロディーがあります。

3 down town(1975)

シュガーベイブのデビューシングル。

シュガーベイブは大貫妙子や大滝詠一など、この後飛躍していくアーティスト達と活動していたシティポップの先駆けのようなバンドですが、このデビューシングルの時点ですでにシティポップですね。

4 funky flushin’(1979)

4枚目のアルバム「moongrow」に収録されているファンキーかつ爽やかな曲。

山下達郎の曲に多いのですが、夏の暑い日差しを感じるような、そういう日に聴きたくなるような、そんな曲です。

5 Rainy day(1980)

最後はしっとり路線の名曲レイニーデイです。

1980年リリースのアルバム「ride on time」に収録されています。

サウンドのクオリティが半端なく高く素晴らしいの一言です。

今回はjpopの歴史を担った「山下達郎」を取り上げました。

「山下達郎」からは色んなアーティストへ派生していきますが、山下達郎自身はデビュー前とあるアーティストのコーラスパートの担当や編曲などを手がけていました。

そのアーティストとはユーミンこと「荒井由実」です。

ユーミンは女性シンガー・ソングライターの先駆けとしてだけでなく、音楽的にそれまでの「歌謡曲」を「JPOP」に変えた超天才アーティストです。

後にも先にも「この人っぽい」人がいない唯一無二の独創性を発揮しつつ、その後のミュージシャンに多大な影響を与えた存在、そんなアーティストです。

山下達郎もユーミンの才能をとても高く評価し、ユーミンからのオファーに応じて曲の作成に参加していたそうです。

次回はそんなユーミンの、荒井由実時代に残した4枚のアルバムのうち最初の2枚を取り上げます。