〈連想第69回〉
連続して取り上げているすぎやまこういち先生によるドラクエシリーズで、前回に引き続きⅢからの曲を取り上げます。
名曲しかないⅢの中でも、特に際立つ伝説的な曲が並びます。
※すぎやまこういち先生は、2021年9月30日、敗血症性ショックのため90歳でご逝去されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
1 幽霊船(Ⅲ:幽霊船)
他にあまりないトリッキーな曲。
Ⅱの「塔」と路線的には若干似てるかもしれません。
幽霊船でしかかかりませんがとても印象的な曲です。
2 ほこら(Ⅲ:ほこら)
ほこらのテーマはシリーズ通してとても良いです。
海の小島にあったり、陸路の果てにあったり、辺境にあることも多いほこらですが、その辺境感がなんとも良いです。
寂しげでどこか神々しく、神聖な気持ちになる曲です。
3 おおぞらをとぶ(Ⅲ:空)
ドラクエシリーズのナンバーワンに選ぶ人も多い大定番曲。
当時は、空中移動ができる画期的な「ラーミア」に乗ったときの嬉しさと衝撃、そしてこの曲の素晴らしさで、ずっと飛び続けていました。
この曲は当初からファンも多く、語り継がれていた中で、Ⅷで再び使われ、定番化しました。
先生はドビュッシーをイメージして作曲したと言われています。
これも、前回取り上げた「冒険の旅」と同じくトヨタアクアのCMにも使用されました。
4 勇者の挑戦(Ⅲ:ラスボス)
最高にテンションが上がるかっこよすぎる「ゾーマのテーマ」です。
ドラクエシリーズのみならず、ゲーム全般的にボスのテーマはかっこいい曲が多いですが、個人的にこの曲を超えるものはありません。
とにかく煽られる感じ、緊迫感、ラスボス感が凄まじくて、手に汗握る感じですが、そんな中に美しさというか刹那感みたいなものもあってたまらない気持ちになります。
「いてつくはどう」や「ふぶき」の音などが音楽の一部のように感じます。
ちなみに、2020年よりリバイバル放送中のアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のオリジナル版では、全面的にドラクエの曲がBGMなのですが、この曲はボス戦で効果的に使われていてめちゃめちゃかっこいいです。
5 そして伝説へ…(Ⅲ:エンディング)
伝説となったⅢの伝説となった曲。
Ⅱのエンディングと並んで最高に感動する神曲です。
Ⅲを象徴、総括するような勇ましい曲調の中に、ノスタルジックで哀愁を帯びたメロディー…幸福で世界が輝いていた当時の記憶が蘇り、涙なしには聴けません。
「冒険が終わったー」という達成感と寂しさ、そんな感情がこの曲によって増幅されます。
「そして伝説が始まった」の言葉どおり、伝説を感じさせる不朽の名曲です。
今回も前回に引き続きドラクエⅢの曲を取り上げました。
それにしても神曲の連打でもう圧巻です。
しかし、次作のⅣ以降も勢いはとどまることなく、更にスケールアップして名曲の数々が生まれ続けていきます。
次回はそんな大作、Ⅳの曲を取り上げていきたいと思います。