アーマッド・ジャマル 5選

ジャズピアノ

〈連想第6回〉

前回取り上げた「ビル・エヴァンス」は、「マイルス・デイヴィス」の不朽の名盤「Kind Of Blue」のメンバーに直接マイルスから誘われて参加し、その中心的な役割を担いましたが、実は「ビル・エヴァンス」より前にマイルスからメンバーに誘われていたにもかかわらず断ったという逸話の持ち主がいました。それが「アーマッド・ジャマル」です。

「アーマッド・ジャマル」は「エロール・ガーナー」などから影響を受け、「アート・テイタム」にも将来を嘱望されるなど活動初期から非常に評価の高いピアニストでした。

演奏スタイルは、淡々とした静けさの中に美しくおしゃれな洗練されたセンスがある、まさにビル・エヴァンスなどとともに次世代を担うものでした。

今回はそんなアーマッド・ジャマルの曲を5選します。

1 Poinciana(1958)

ライヴアルバム「but not for me」に収録されているスタンダードナンバー「ポインシアナ」。アーマッド・ジャマルの代表曲です。

ものすごく洗練された演奏で、静かな雰囲気がたまらなくかっこよく、どこか高尚な気持ちにすらなります。

セブンイレブンでなぜかよくかかっていて、その度にテンションが上がります。

2 Dolphin Dance(1970)

アルバム「the awakening」に収録されているアーマッド・ジャマルらしい洗練されたきれいな曲です。

3 I Love Music(1970)

同じく「the awakening 」に収録されている哀愁を帯びながら狂おしく胸に迫ってくるような曲です。

4 You Are My Everything(1970)

こちらも同じく「the awakening」に収録されているクリアで透き通った洗練された曲調のバラードです。

5 The Awakening(1970)

これもまた「the awakening」に収録されているタイトル曲。

アーマッド・ジャマルらしい絶妙の間が独特の静けさを醸し出しつつ洗練されて美しい曲です。

今回は、静かな間を作り出し、洗練されたセンスあふれる演奏が特徴のピアニスト、アーマッド・ジャマルを取り上げました 

5曲中4曲が同じアルバムからの選曲となっていてだいぶ偏っていますが、これには理由があります。

ヒップホップファンならおわかりかと思いますが、5曲全てヒップホップのサンプリングネタとして使われている曲なのです。

アーマッド・ジャマルはヒップホップにサンプリングされまくっているアーティストの一人で、特に「ジ・アウェイクニング」は定番中の定番、サンプリングの教科書みたいなアルバムなのです。

次回は、アーマッド・ジャマルの曲をサンプリングしたヒップホップ〈定番編〉を取り上げます。