〈連想第19回〉
前回取り上げた「小西康陽」は「ピチカート・ファイヴ」で、おしゃれで軽やか、明るさ楽しさと、切なさ哀しさが同居したような素晴らしい曲を量産しましたが、ベネズエラのコンポーザー、プロデューサー、ピアニストである「アルデマロ・ロメロ」についてその素晴らしさを自ら語りレコメンドしていて、その世界観にすごく共通するものを感じます。
「se voce pensa」というロベルト・カルロスの有名曲を共にカバーしています。
今回はそんな南米ベネズエラのレジェンド、アルデマロ・ロメロが彼のバンドであるオンダ・ヌエヴァとの作品から7選します。
1 Folie Douce(1972)
アルバム「la onda brava」に収録されている、明るさと哀愁が混じり合ったような、爽やかでセンス溢れる名曲。
アルデマロ・ロメロの1つの典型とも言えるメロディーとサウンドでソフトロックともボサノヴァ、MPBとも違う、独自のスタイルです。
2 El Catire(1972)
同じく「la onda brava」に収録されている名曲。
このアルバム全て素晴らしいのですがこの2曲は外せませんでした。
コーラスラインが南米の異国情緒を漂わせつつ、ホーンセクションや曲の構成がセンス溢れていて本当にかっこいいです。
3 Maracucha(1974)
大名盤「toma lo que te ofreci」に収録されている曲。
このアルバムもまた全曲名曲で、ラテン的、民族的な南米のリズムが全面に押し出された土着的なご機嫌さと、エレピを全面に押し出した洗練された都会的なサウンドが融合した独特の世界観があります。
その中からご機嫌でノリノリながら、哀愁も感じるこの曲は最高です。
4 Coplas A La Polaca
大名盤「toma lo que te ofreci」からもう一曲。
哀愁漂うエレピが最高すぎるとても洗練されたぐっと心に染みる名曲。
このアルバムは本当にどれも名曲で素晴らしいです。
5 Limon Limonero(1971)
大名盤「la onda maxima」収録曲。
このアルバムもまた大名曲揃いで選ぶのがとても難しいですが、その中でもこの曲は特に良いです。
この爽やかさ、楽しさ、哀愁、センス、全てに感服します。
6 El Musiquito(1971)
名曲ぞろいのアルバム「el fabuloso」に収録されている、アップテンポで勢いのあるタイプながら、洗練されて清涼感のある曲。
このアルバムもまた名曲揃いですが、とにかくセンスがよくて聴くたびに脱帽です。
7 El Negro Jose(1971)
最後は、アルバム「la onda maxima」に収録されている、アルデマロ・ロメロの代表曲。
クラシカルな響きと南米のリズムが合わさった独特で最高に洗練された曲です。
中南米の音楽って本当に楽しくて幸福感に満ち溢れいて、それでいて寂しさや憂いも含まれてていて、本当に心の奥底から湧き上がる感動的なものが多いですが、この曲もまさにそんな感じの曲です。
当時の超貴重なライブ映像もリンクします。大盛り上がりです!
そして最後にもう一つ、アルデマロ・ロメロの名曲を組曲形式でオーケストラにより演奏された心熱くなる素晴らしい動画もリンクします。
この演奏のハイライトとして、4:26からこの曲「el negro jose」が演奏されるのですが、ここでも大盛り上がりです。
音楽ってやっぱり素晴らしい!!!という気持ちにさせてくれます。
今回はベネズエラのコンポーザー、指揮者、ピアニストであるアルデマロ・ロメロを取り上げました。
アルデマロ・ロメロのどこか寂しさを漂わせるメロディー、コード、サウンドは、秋が深まる季節にぴったりで、無性に聞きたくなります。
音楽的にはソフトロックの系列に位置づけられることが多いようですが、ブラジル音楽ともやはり深いつながりがあります。
アルデマロ・ロメロがオンダ・ヌエヴァと録音し、小西康陽もカバーした「se voce pensa」は、ブラジルのロベルト・カルロスが作曲し、エリス・レジーナが歌ったことで有名な曲です。
次回はブラジルのボサノヴァ、MPBの人気歌手だったエリス・レジーナを取り上げます。