スラム・ヴィレッジ 5選

ヒップホップ
ジェイ・ディラソウルヒップホップ

〈連想第30回〉

前回は早世した天才プロデューサー「ジェイ・ディラ」を取り上げましたが、今回は「ジェイ・ディラ」自身のグループ「スラム・ヴィレッジ」を取り上げます。

「スラム・ヴィレッジ」は「ジェイ・ディラ」、「ビーティン」、「T3」からなるデトロイトの3人グループで、後にジェイ・ディラが脱退(その後病死)、ビーティンが病死、残ったT3に新たなメンバーを加えるなどの変遷をたどりました。

「ジェイ・ディラ」が2000年に脱退するまでの間のほとんどの曲は「ジェイ・ディラ」がプロデュースしています。

多作の「ジェイ・ディラ」は、この自身のグループ「スラム・ヴィレッジ」で、最もパーソナルで実験的なトラックを数多く作り、ラップもしていました。

今回はそんなスラム・ヴィレッジから5選します。

1 I Don’t Know Ft. DJ Jazzy Jeff(2000)

2ndアルバム「fantastic vol.2」に収録されている曲。

1997年に非正規リリース(ブートレグ)されたファーストアルバムにもスキット的に収録されていましたが、「ジャジー・ジェフ」をフューチャーしたかたちで2ndアルバムにあらためて収録されました。

元ネタは「バーデン・パウエル」「e isso ai」です。

2 Raise It Up(2000)

これも2ndアルバムに収録された曲で、シングルカットもされた代表曲の1つです。

超チープなうわネタがクセになる中毒性の高い曲。

ジェイ・ディラ自身のラップによるファーストヴァースに続くティー・スリーのラップがキレキレでかっこいいです。

元ネタは「トーマス・バンゲルター」「extra dry」の冒頭です。

この元ネタを使ってこの曲を作る感性に脱帽です。

3 The Look Of Love Pt.1(2000)

2000年リリースのアルバム「best kept secret」に収録されているスラム・ヴィレッジの代表曲の一つ。

このアルバムは、スラム・ヴィレッジが「j-88」という別名義でリリースしたもので、曲の多くは1996-1997頃に作られたものです。

元ネタは「バーニー・ケッセル」「the look of love」の1:36あたりです。

4 Hoc N Pucky(1997)

1stアルバム「fan-tas-tic vol.1」に収録されているスキット的な曲。

ジェイ・ディラお得意のディープで幻想的なサウンドです。

元ネタは「ビル・エヴァンス」「t.t.t.」の5:09あたりです。

このネタ使いもうならされます。

5 Players(2000)

2ndアルバムに収録されている曲で、シングルカットもされたスラム・ヴィレッジの代表曲の1つです。

元ネタは「ザ・シンガーズ・アンリミテッド」「crair」の0:53あたりです。

今回は「ジェイ・ディラ」が所属していた自身のグループ「スラム・ヴィレッジ」を取り上げました。

「ジェイ・ディラ」は、自身にとってもう一つの拠点とも言えるべきグループがありました。

それが、自身が世に出る引き立て役となった「ア・トライブ・コールド・クエスト」です。

「ア・トライブ・コールド・クエスト」4thアルバムと5thアルバムは実質ほぼ全ての曲を「ジェイ・ディラ」がプロデュースしました。

というわけで次回は、「ア・トライブ・コールド・クエスト」の「ジェイ・ディラ」がプロデュースした曲を取り上げます。