ダンスホールレゲエ②〈80sダンス〉4選

レゲエ

〈連想第39回〉

レゲエは少なくとも1950年代半ばから「ダンス」と呼ばれる野外音楽パーティと共に歩んできました。(ラガヒップホップ〈ハードコア編〉で詳しく取り上げています。)

「ダンス」とは、「サウンド」と呼ばれる、巨大スピーカーやアンプ、ターンテーブル、レコード、セレクター、MCなどにより構成されたクルーが、主に屋外に会場を設置して行う音楽パーティのことです。

この「サウンド」による「ダンス」で人々は色々な曲を聴き、踊り、アーティスト達は「ラバダブ」と呼ばれるマイクリレーにより日々自身のパフォーマンスを表現していました。

その中では今に続くレジェンドサウンドが数多く存在するのですが、その中から今回は、80年代半ばのダンスの空気感、楽しさがよく伝わる映像を取り上げます。

1 Stereo Mars(1985)

deejayのパイオニアの1人であるUロイのレジェンドサウンド「king sturmar」=「ステレオ・マーズ」のとても貴重なダンス映像です。

「ブロ・バンタン」から始まり、「リッキー・タフィー」「テナー・ソウ」「カティ・ランクス」「ヤミー・ボロ」「ジョン・ウェイン」「ピーター・メトロ」などの超豪華メンバーが揃っていて、リアルなジャマイカのダンスの現場の空気感が伝わります。

リンクは、チープなデジタル音がかっこよすぎる「chase vampire」リディムから始まる、素晴らしいダンス映像です。

2 Killamanjaro(1980年代半ば)

老舗大御所サウンド「キラマンジャロ」通称「ジャロ」。

アーリーBやスーパーキャットなどもよく出演しました。

この映像はサウンド同士が競い合う「サウンドクラッシュ」中のもので、人気沸騰中のニンジャマンやレクチャラーが「my love」リディムや定番「taxi」リディムにのせて場を盛り上げていて、とても楽しそうです。

3 Mellowtone(1986)

メロートーンハイファイによるホレス・アンディが出演しているダンス映像。

「スタジオ・ワン」レーベルでも数多く録音している大御所シンガー、ホレス・アンディと大御所deejayジョジー・ウェールズの掛け合いがたまらなく楽しいダンスです。

他にも、サンタ・ランキンや無名のdeejayたちがいい味出していて最高の雰囲気です。

↓リンクはチープなデジタル音がハマる「love me forever」リディムでホレス・アンディが歌っている箇所です。

ラガヒップホップ〈ハードコア編〉で説明したダンスのスタイル「セレクターは盛り上がると針を上げ、レコードを何度も最初からかけ直す」とはまさのこれのことです。

4 Stone Love(1989)

こちらも70年代から続く老舗大御所サウンド「ストーン・ラブ」です。

「score」リディムから始まり、シャバ・ランクス、ニンジャマンら時の人達によるラバダブが、当時のリアルな熱気を伝えてくれます。

ファッショナブルなオーディエンス達が会場を彩ります。

今回は、80年代のダンスの映像から4選しました。

こういうのを見ると、レゲエって楽しい!!って思います。

レゲエの文化というのは「ダンス」と共にあるんだなと感じます。

もちろん2020年現在においても「ダンス」は欠かすことのできない存在として大いに盛り上がっています。

80後半〜90年代前半は、スーパーキャット、カティ・ランクス、シャバ・ランクス、ニンジャマン、ブロ・バンタン、ニコデマス、アドミラル・ベイリー、ブジュ・バンタンら今に語り継がれるそうそうたるレジェンドdeejay達が、ジャミーズ、ペントハウス、デジタルBなどのレジェンドレーベルから名曲を量産した時代でした。

次回は、そんなレジェンド達の1つ前の世代、レジェンド達の師匠筋に当たるさらなるレジェンドたちが活躍した時代、80年代前期〜中期に人気絶頂だったdeejayたちを取り上げます。