〈連想第40回〉
前回まで取り上げてきた80年代後半から90年代前半にかけて活躍してきたレジェンドdeejay達。
今回は、彼らレジェンドたちの一つ前の世代のdeejayたちを取り上げます。
70年代後半から80年代前半に活躍したさらなるレジェンドたちは、deejay第3世代などとも呼ばれます。
それは、黎明期、発展期を経て、カンブリア期とも言うべき第1次黄金期に当たる時期で、今に受け継がれる名曲、名リディムが無数に誕生し、ダンスホールレゲエが完全に定着した時期と言えるのではないでしょうか。
今回は、そんな時代のダンスホールdeejay達の曲から5選します。
1 Josey Wales – Drug Abuse(1984)
クリント・イーストウッド監督主演の映画「アウトロー」の主人公名からとった「ジョジー・ウェールズ」。
レジェンドひしめくこの時期のダンスホール界にあって、ひときわ存在感のある存在です。
野太いようで繊細、ダミ声なようでハスキー、そんな声の魅力と、歌心のある何とも言えない中毒性のある魅力的なdeejayです。
「カティ・ランクス」や「シャバ・ランクス」などもジョジー・ウェールズの影響下にありました。
この曲はこの時代を象徴するレーベル「コーナー・ストーン」から、「マイケル・チン」のプロデュースによるものです。
曲の後半はダブバージョンになっています。
アルバム「no way no better than yard」に収録されています。
2 Early B – Visit Of King Selassie(1984)
この時代を代表するレジェンドのひとり「アーリー・ビー」。
「スーパーキャット」の師匠的存在で、共にサウンド「キラマンジャロ」の顔としても活躍しました。
レジェンドレーベル「スタジオ・ワン」通称スタワンの定番中の定番「full up」リディムでトースティングするアーリー・ビーがめちゃめちゃかっこいいです。
3 Yellowman & Fathead – Funky Reggae Party(1982)
レジェンド・オブ・レジェンドの「キング・イエローマン」です。
アルビノとして生まれたイエローマンは黒人ながら白い肌と黄色い髪であったことからそう名乗りました。
この時期は合いの手役のファットヘッドと組んで曲をたくさん出していた時期でまさに人気絶頂、当時最も知名度の高いスターでした。
その後舌癌により一時期活動休止しましたがその後復活し、今なおアーティスト活動をしています。
この曲はスタワンのド定番リディム「party time」で、「ヒットバウンド」レーベルからのアルバム「one yellowman」に収録されています。
4 Rankin Toyan – Spar With Me(1981)
当時のdeejayで欠かすことのできないダミ声でラフなスタイルが特徴のランキン・トーヤン。
トーヤンやパパ・トーヤンなどとも呼ばれます。
この曲は、フランキー・ポールの同名曲「worries in the dance」リディムで、アルバム「spar with me」に収録されています。
5 Eek A Mouse – Wa Do Dem(1981)
カウボーイファッションがトレードマークのコミカル「singjay」の「イーク・ア・マウス」。
歌うようにディージェーするとういうことで、今では当たり前なのですが、それを彼が初めてやり、当時「シングジェイ」と呼ばれました。
そんなイーク・ア・マウスといえばこの曲。
大ヒットした代表作です。
定番「shank i sheck」リディムに若干アレンジを加えたリディムになっています。
「激渋なのにキャッチー」な感じの大ヒット定番曲です。
アルバム「wa do dem」に収録されています。
今回はレゲエの黄金時代とも言える80年代の前半に活躍したレジェンドdeejayたちを取り上げました。
これまでずっとdeejayばかり取り上げてきましたが、ダンスホールはdeejayだけのものではありません。
ダンスホール界はdeejayたちに引けを取らないほど数多くのレジェンドシンガーたちがいます。
次回は、同じ80年代前半に活躍したダンスホールのシンガー達を取り上げます。