すぎやまこういち⑦〈ドラゴンクエストⅣ・後編〉5選 

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〈連想第71回〉

前回に引き続きドラクエⅣの曲から厳選して取り上げます。

厳選した結果…全て神曲でした。

どれもドラマチックで魂を揺さぶる名曲ばかりで、圧巻です。

ドラマチックでスケールの大きい感動的なストーリーのドラクエ4に欠かすことのできない奇跡的な名曲を5選します。

1 コロシアム(Ⅳ:コロシアム)

この曲は、名曲だらけのドラクエシリーズの中でもトップクラスの隠れた名曲です。

格闘技大会が行われるコロシアムで、ゲーム中一度しかかからない曲なので、他の何回も長時間聴く曲と比べると印象に残っていないかもしれません。

控えの場のテーマは、シリーズいち印象主義的、近代的な響きとなっていて、クラシック音楽感の強いかっこよく美しい曲調となっています。

ドビュッシーとラヴェルを足して2で割ったような、独特の近代音楽的な雰囲気があります。

そして控えの場から格闘技場へ入ると、今度はブルックナーの交響曲のような荘厳で勇ましい曲調になり、めちゃめちゃテンションが上がります。

オーケストラ版が特にこの曲の素晴らしさが表現されています。

2 海図を広げて(Ⅳ:海)

Ⅱ、Ⅲのごきげんなウィンナワルツ風の曲から一転、ⅣからⅥの天空シリーズでは、いずれも壮大で雄大、そしてどこか物悲しい悲壮感を感じさせるスケールの大きい美しい曲調となっています。

Ⅳ〜Ⅵの海はいずれも超名曲です。

つらい過去を背負って旅立つ決意みたいなものが感じられます。

3 不思議のほこら(Ⅳ:ほこら)

ほこらのテーマは毎作神聖な気持ちにさせられる名曲揃いですが、Ⅳのほこらはその中でもトップです。

Ⅱ、Ⅲに続く辺境感、果てにポツンとある寂しさの中に神々しさやぬくもりを感じます。

フルート三重奏がこの曲のイメージにとても合っています。

4 のどかな熱気球の旅(Ⅳ:空)

Ⅲの空のテーマ「ラーミア」に続き、今作の空は「気球」です。

この曲は、印象派的、近代音楽的で、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキー、バルトークなどを彷彿とさせる名曲です。

トリッキーなメロディーやコード進行ながらとても美しく心を打つ印象深い曲です。

空のテーマも毎作名曲揃いですが、その中でも特に個性的でアーティスティックな曲調になっています。

5 導かれし者たち〜終曲〜(Ⅳ:エンディング)

Ⅱ、Ⅲのエンディングのあまりの神曲ぶりの影に隠れてしまっている印象ですが、Ⅳのエンディングも感動的な超名曲です。

10分弱あるエンディングは、それまでと違いエンディング自体がストーリー仕立てになっていて、その映像と音楽がリンクしているのが本当に感動的なんです。

旅を終えて一人一人が順番に元々いた場所、元の生活に戻っていく、そして勇者は廃墟の村に戻りまた一人になってしまった…しかし、そこに大切な人と大切な仲間たちが現れる…もう一人じゃない。

そんな涙が溢れる感動的なエンディングの感動的なエンディングテーマになっています。

ファミコン版のほか、PS版をリメイクしたDS版もとても良いので両方リンクします。

〈番外編〉ちょっとした曲

最後に番外編として、ちょっとした曲を取り上げたいと思います。

ドラクエは通常の楽曲以外の、ちょっとした短い曲もとてもいい曲ばかりで、もちろんこれもすぎやまこういち先生の作です。

ちょっとした曲とは、例えばレベルアップ音や宿屋のテーマなどです。

個人的には0:30と2:22の「虹のしずく」がめちゃめちゃ好きで、何度聴いても「いいなー」って心に染みます。

いかがでしたでしょうか。

ここまでファミコン版のドラクエ、Ⅰ〜Ⅳまでを順に取り上げてきました。

振り返る度に、懐かしく、胸が熱くなり、感動的で涙が溢れる名曲の数々。

すぎやまこういち先生にお礼を言いたくてしょうがなくなります。

しかし!まだまだ伝説は続きます!

スーパーファミコン版としてリリースされたⅤとⅥもまた名曲、神曲のオンパレードで、すぎやまこういち先生の勢いは留まることを知りません。

というわけで次回は、スーファミになったドラクエ5から厳選していきます。