〈連想第72回〉
すぎやまこういち先生によるドラゴンクエストの名曲の数々を連続して取り上げていますが、今回は傑作として名高いⅤを取り上げます。
Ⅳのリリースから2年強経ってリリースされたⅤ。
時代はスーパーファミコンの時代になっていました。
幼かった当時の感覚では、2年強という時間はとても長い時間でした。
「あのドラクエがついにスーファミでも出る」そんな感じでした。
そして発売されたⅤは、これまでにない親子3代に渡る壮大かつドラマチックな内容で、これまた伝説的なゲームとなりました。
そしてそこにはもちろん名曲の数々の存在があったのです。
サントラCDを発売何ヶ月も前から予約して、誕生日プレゼントに買ってもらいました。
もう既にゲームをやるのとセットで、音楽を聴くのが楽しみの1つとして自覚的に認識するようになっていました。
そんなⅤもまた後々に語り継がれる名曲だらけですが、その中から7選します。
1 大海原へ(Ⅴ:海)
海シリーズの名曲ぶりでいけば、Ⅵと並んで2トップとなる大名曲ですが、ゲームとの親和性や効果を考えると、このⅤが1番かもしれません。
ゲームを始めて最初にかかる曲で、これから壮大な冒険が始まるワクワク感と共に、どこか悲壮感や儚さが漂う雄大で美しい曲となっています。
この後、まだ幼い主人公に待ち受けている辛い出来事、悲しい出来事、様々な壮絶な出来事、そしてその狭間にある幸せな出来事の数々などのことが思い起こされ、オープニングながら涙が溢れます。
2 戦火を交えて(Ⅴ:戦闘)
Ⅴの戦闘もまた名曲です。
躍動感があり、同時に勇ましさや緊迫感がありつつも、メロディアスでキャッチーさもあります。
何度聴いても、ずっと聴いていても、その都度「かっこいい曲だなー」と思える名曲です。
3 洞窟に魔物の影が(Ⅴ:洞窟)
洞窟のテーマも毎度良い曲ばかりですが、美しさ、儚さという意味ではこの曲がシリーズいちです。
衝撃の悲しい出来事が起こる場面、そしてその後の辛く長い時間を過ごす場所でかかる曲でもあるため、その儚いメロディーがとても印象深く残っています。
4 死の塔(Ⅴ:塔)
塔シリーズでは、トリッキーでかっこいいⅡを除けば、Ⅷと並んでツートップの名曲です。
とてもきれいで美しく幻想的で、ノスタルジックさや儚さなどをも感じさせます。
物語中の悲しいエピソードと相まって、心に染み入ります。
5 妖精の村(Ⅴ:村)
異世界であるエルフの妖精の森でかかる心温まる和やかな曲です。
少年時代の遠い温かい記憶…大人になって再び訪れた時のノスタルジー…そんな印象のとても優しい曲です。
「さびしい村」という通常の村のテーマは、この曲と同じメロディーですが、編曲が異なる違うバージョンのものになっています。
SFC版の動画は2:55からが妖精の村です。
6 空飛ぶ絨毯(Ⅴ:空)
Ⅳの気球と路線としては同路線かと思います。
少し変則的で印象派の趣がありますが、Ⅳの気球と比べると正統的な印象があります。
空飛ぶ爽快感が、若干トリッキーな曲調ながら美しいメロディーにあわせて伝わってきます。
7 愛の旋律(Ⅴ:結婚前夜)
Ⅴの中で最高の名曲「愛の旋律」です。
シリーズ通しても、美しさ、切なさ、ロマンティックさでいけば1番に来る神曲と言っていいでしょう。
結婚相手を選ぶ前の夜に一度だけかかる曲ですが、とてもインパクトが強く印象に残る曲です。
結婚というものはとてもロマンチックなものなんだな…という幻想が幼心に刻まれました…
心の琴線に触れる、とても清らかな気持ちになる、シリーズ屈指の異色の超大名曲です。
今回は初のスーパーファミコン版のドラクエとして、これまたファンの多い名作として名高いⅤの曲から7選しました。
雄大な印象が強かったⅣから比べると、全体的に儚くノスタルジックな美しい曲が多い印象です。
次回は、スーパーファミコン第二弾にして最後の作品で、色々な面で独特な作品となっているⅥの曲を取り上げます。
異色の名曲揃いです。