〈連想第34回〉
前回はレゲエの影響を感じるニュースクール系のノリノリグループ「フー・シュニッケンズ」を取り上げましたが、今回はよりレゲエの影響が顕著なグループ「プア・ライチャス・ティーチャーズ」を取り上げます。
「プア・ライチャス・ティーチャーズ」は、ラッパーの「カルチャー・フリーダム」と「ワイズ・インテリジェント」、プロデューサーの「ファーザー・シャヒード」の3人からなるニュージャージーのグループで、レゲエ色の濃いスタイルが特徴です。
プロデュースは基本的に全てメンバーの「ファーザー・シャヒード」によるもので、サウンド的にはニュースクール系になります。
知名度はそこまで高くなく、大ヒット曲にも恵まれませんでしたが、曲のクオリティは総じて高く、良い曲が揃っていて、ラガ調のフロウもすごくかっこいいです。
今回はそんなラガ色の強いヒップホップグループ「プア・ライチャス・ティーチャーズ:貧しい正義の教師達」から5選します。
1 Holy Intellect(1990)
ファーストアルバム「holy intellect」に収録されている、シングルリリースもされたタイトル曲。
初期ニュースクール感漂うノリノリなダンスナンバーで、テンション上がります。
身振り手振りなどの身のこなしがヒップホップよりもレゲエ寄りです。
元ネタは「ウォー」「good good feeling」の冒頭です。
2 Nobody Move(1993)
サードアルバム「black business」に収録されているシングル曲。
全くヒットせず、知名度もものすごく低かったわりに、クオリティが高くめちゃめちゃかっこいいアルバムとして、同じ1993年の「ダス・エフェックス(こちらもややラガ系のグループ)」のセカンドアルバムと並んで、この「プア・ライチャス・ティーチャーズ」のサードアルバムも挙げさせていただきたいです。
この曲も、ラガフロウを織り交ぜたラップがキレキレでかっこいいです。
3 Get Off The Clack(1993)
同じくサードアルバムに収録されている曲。
こちらはさらにラガフロウ全開で、怪しい空気感醸し出しててめちゃめちゃかっこいいです。
元ネタは「ウエス・モンゴメリー」「without you」の冒頭です。
4 Easy Star(1991)
セカンドアルバム「Pure Poverty」に収録されている曲で、シングルカットされました。
この曲もラガフロウ全開で、怪しさ醸し出してます。
5 Conscious Style(1996)
NYのラガ系アーティストの拠り所的存在の「KRSワン」をフューチャーした男らしさ剥き出しの曲。
ラストアルバムとなったフォースアルバム「the new order」に収録されています。
全くラガ調ではなく、正統派なキレキレなラップがまたかっこいいです。
今回はレゲエ色の強いヒップホップグループ、「プア・ライチャス・ティーチャーズ」を取り上げました。
この時期は他にも、「スミフ・ン・ウェッスン」「OGC」などが所属する「ブートキャンプクリック一派」や、前述の「ダス・エフェックス」などレゲエ色の強いアーティストが数多く存在しましたが、次回はその中でもさらに突き抜けてレゲエ色の強いアーティストを取り上げたいと思います。
ラガヒップホップと言えばこの人、的な代表格「マッド・ライオン」です。
「KRSワン」のレーベル第1段アーティストで、彼の全面バックアップのもと数多くの名曲を残しました。
次回はそんなマッド・ライオンを取り上げます。